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メタラーにはメタラーらしい復興支援がある

東京&福島へヴィメタル・サミット実行会委員長

株式会社ミュージックネットワーク/ブラッドサバス

代表取締役 三谷佳之

 

ヘヴィメタルの元祖「ブラックサバス」をこよなく愛し、彼らの偉大な音楽やその精神性を次代に伝えるトリビュート・バンド「ブラッドサバス」でギタリストのトニー・アイオミ役を担当している三谷@ミュージックネットワークです。2011年はなんだかんだとありました。なんと言ってもデカかったのは3月11日の東日本大震災。3月19日に福島で予定していたライブの直前に東日本大震災が起きました。それから約半年、震災の影響で延期になっていた幻のライブを8月27日に福島で実現してきました。ライブは大盛り上がり、とても楽しかったです。正直に言って、福島に行くまでは放射能問題はボクの喉に刺さった小骨でした。しかし、ライブハウスのスタッフやお客さんの、福島の暖かい県民性に触れたことで意識が一変しました。実際に福島に行き、ライブをしたことでボクの中に何かが芽生えました。このまま、たま~に福島に来て、ライブをするバンドというポジションでは終われない…と思いました。

 

ボクにできる…というか、ボクなりにやる気が起きる復興支援って何だろう。瓦礫処理?いやいや、体力があるわけでもないし、工事現場で働いた経験があるわけでもないし、専門家じゃないボクが数日の間だけ手伝うことにどれほどの効果があるのかわかりません。募金?1億、2億をポーンと支払うならいざ知らず、ほんの数千円、やっとこ無理して数万円をなんとか財団やどこそこ団体に募金したところで、誰の手に、どれだけの金額が行き渡るのかもわからず、ボクは募金しました(金さえ払っとけば何かをやった気持ちになれるぅ)…という自己満足っぽい感じがします。

 

では、ボクにできることは何だろう…キャラ的には(笑)、東京電力の本社の看板にペンキをぶちまけたり、霞ヶ関の官庁街で石を投げて窓ガラスを割るとか…ですかね。いや、マジメな話、正攻法で、世直しのため…と今から政治家になるには時間が掛かり過ぎるし、さりとて家族と社員を抱える身で犯罪者になるのはちょっとマズイ(苦笑)。やっぱり音楽しかないか…というか、音楽で復興支援すればいいんじゃないかと気づかせてくれたのが、福島のメタラーでした。8月27日、福島でのライブ。ボクにも福島のメタルファンを熱くすることはできるし、終演後、彼らと膝を交えて話したことで、友達になったことで、ボクの気持ちの中にいつも「福島」が存在するようになった…ということでした。

 

一部を除き、福島の多くの地域では家は崩れていません。津波の被害もありません。では、何が問題なのか…。それは放射能汚染です。地震や津波に被災された方には申し訳ないですが、余震が続くとは言え、天災は起こってしまったこと、済んでしまったことです。あとは復旧、復興あるのみ。一方、放射能汚染はまだ終わっていません。まさに現在進行形、今も事故の真っ最中です。復旧、復興のめどすら立ちません。チェルノブイリを見ればわかる通り、1年や2年で終わらない、長い時間の掛かる問題です。政府や東京電力が話題や論点をすり替え、マスコミが段々触れなくなってきている福島の現実を、知らなかったとは言え、福島産の東京電力の電気を使っているボクらは忘れてはいけないと思うのです。福島が本当に困っているのは一過性の天災ではありません。この先、何十年と続く放射能汚染による人体への影響の不安、風評被害による経済の落ち込み…それらが原発事故という人災であることを忘れてはいけないと思います。

 

メタラーにはメタラーらしい復興支援があると思います。いくつもあると思いますが、その1つは「無関心にならないこと」ではないでしょうか。

 

本企画は、東京電力を利用するメタルバンドが大挙して大型バスの乗り込み、東北自動車道をぶっ飛ばして、福島で熱いライブを展開し、終演後に福島のメタル仲間と酒を酌み交わし、腹を割った話をする。翌日は福島市内を訪問し、警戒区域(自宅にすら近づけない)を実際に見て、彼らが置かれた現実に関心を持とう…というものです。情報が氾濫する時代だからこそ、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の頭で考えることが重要です。百聞は一見に如かず。ニュースで報道される情報を受け取るだけではなく、自分の五感で感じてください。東京に帰ったら、自分の言葉で友人に話してください。ブログに書いてください。実際に福島に行くことで、福島に仲間を作ることで、福島を身近に感じ、福島を忘れない。普段、権力や不条理に対して、ファックと叫んでいるメタルバンドだからこそ、意図か、偶然なのか…日本中が徐々に話題にしなくなっている福島の現実に対して、「脱・無関心」を唱えていきませんか。

 

被爆のメタル応援団長

東京&福島へヴィメタル・サミット実行委員会

Live Space C-moon

ブッキング/照明担当 菊地春香


皆さん、こんにちは!Live Space C-moonの菊地と申します。C-moonでは主にブッキングや照明を担当していて、個人的に大好きなハードロック/ヘヴィメタルの人口を増やすべく、活動しています。HIMが好きということもあり、BLACK SABBATHも好きになりました。もちろん、BLOOD SABBATHも大好きです!今回、三谷さんのご厚意で、この場をお借りして文章を書かせていただくことになりました。

 

さて、私は原発から40kmの所に住んでいます。地震があった当日、ライブハウスの被害はほとんどなく、お酒の瓶が割れるくらいでした。しかし、震災後しばらくは放射能に怯えて暮らす生活が続き、怖くて食事もできないほどでした。これは私だけではないと思います。当たり前ですが、原発で働いている方たち以外の、ほとんどの町民や県民は原発や放射能に関しては素人で、きちんとした知識もありません。そのせいで、震災直後はいろいろなデマが流れていました。デマだけでなく、メディアで流れている原発の情報も信じられません。最近ではテレビでも、あまり原発のことを報道しなくなっています。

 

私は高校生の時に学校の授業で原子力発電所へ行きました。その時に職員の方から「ここは厳重に完備されているので安全です」と言われ、安心したのを覚えています。しかし、今回、このような形で福島県だけでなく、他県までもが放射能で汚れてしまいました。ここで皆さんに理解して欲しいのは、福島原発で作業をしている方たちは何も悪くないということです。むしろ、被ばくに怯えながら頑張ってくれているヒーローです。悪いのは東電の幹部や報道しない(できない?)メディアだと思います。彼らは周辺住民や他県の人たちだけでなく、動植物にまで迷惑を掛けました。

 

YouTubeでは立ち入り禁止区域になってしまったため、置き去りにされたペットたちを保護する動画などを見ることができます。その動画には逃げようとしてか、飼い主を捜していたのか、途中で車にひかれてしまったペット達の死体が映っていました。たかが動物と思うかもしれませんが、犬や猫だって家族ですし、人間と同じ生き物です。家族同然の犬や猫を死なせた東電の幹部に責任があるのではないでしょうか。もちろん、原発事故が原因で命を落としたのは動物たちだけではなく、人間も同じです。

 

私が住んでいる町の一部も避難区域になってしまい、それが原因で自ら命を断つ人もいます。このような残酷なことが実際に起こったことを考えるだけで東電や政治家、それを報道しないメディアに対して非常に腹立たしい気持ちになります。

 

今、福島の人たちはこのような状況に耐えて生活しています。逃げようと思っても、そう簡単には福島を捨てられません。ぜひ、ヘヴィメタル・サミットで福島に来て、自分の目で見て感じてください。そして、福島のヘヴィメタル・ファンと話をしてください。ヘヴィメタルを通して、東京の人たちと福島のひとたちが繋がり、C-moonで楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。

 

from福島。被爆ロッカー代表。

東京&福島へヴィメタル・サミット実行委員会

Radioactivity Bass & Vocal

杉岡”keizy”恵二

 

福島県の浜通り地方。穏やかな海と雄大な山麓に囲まれたこの地で、ロックの素晴らしさを広めるべく活動しているRadioactivity代表、ベース&ボーカルのkeizyと申します。元々、アマテラスというバンドで活動しており、地元が大好きだし、音楽も大好きです。音楽で福島を盛り上げることはできないか?という思いのもと、5人で活動していました。そんな中、「3月以降のスケジュールをどうしようかなぁ。そろそろレコーディングもしなくちゃ」と思っていた矢先の3月11日、14時46分でした。


震災当時、僕は福島第一原発にある会社の事務所で休憩していたのですが、大地が激しく揺れました。震度6強。震災後はメディアも混乱し、停電でテレビも映りません。携帯電話で情報を集めようにも、回線がパンクして繋がりません。原発内で働く何千人という人が避難のため、所内の道路に溢れていました。正直、最初はこんなに重大な事態になるとは思いませんでした。「地震でめちゃくちゃだし、月曜日は事務所の後片付けだなぁ」という程度にしか思っていなかったんです。割れたアスファルトや崩れかかっている橋は現実の風景から逸脱していましたが…。


ご存じの通り、翌12日、見慣れた四角い建物は上半分が吹き飛び、13日には2つ目の四角い箱がキノコ雲を上げながら爆発しました。僕の自宅は原発から25km付近ですが、爆発音はここまで聞こえました。一斉に閉まる店、パニックになる市民。食料もわずかとなり、水も断水しています。避難のため、渋滞が発生している幹線道路を横目に僕は津波で行方不明になってしまった姉夫婦と姪を捜すため、自転車で警戒区域内である小高区の避難所や市内の遺体安置所を回っていました。車は物流優先、ガソリンも枯渇しているため乗ることができませんでした。


そんな生活が数ヶ月続き、バンドメンバーも避難、復旧作業などでバラバラになってしまいました。頑張れと声を掛けてくださるのはありがたいし、義援金も涙が出るほど感謝しています。ただ、できれば多くの人にこの惨状を知ってもらいたいと考えています。多くの人が亡くなり、まだ見つかっていないのに、警戒区域に指定されてしまったため捜索もできない。しかし、そんな現状を知ってはいても、対岸の火事ではないでしょうか。俺達の故郷は汚染されて、締め出され、家もない。被爆し続ける幼い女の子が子供が産めるか将来を嘆く…。存在さえも否定されるが如き福島バッシング。東京に行って夜景やネオンを見る度に胸が苦しくなります。


人は独りじゃ行きていけませんし、孤独は自ら命を絶ってしまうほどの苦痛です。無関心もしかり。愛情の反対は無関心だと偉い人が言っていましたが、僕もそう思います。何も要りませんし、善意の無理強いもしません。僕たちはただ、忘れて欲しくないだけなのです。「脱・無関心!」。このイベントが皆さんの心に何かを残せればいいなと、切に願います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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